電子線グラフト重合による繊維への機能付加の特長は洗濯耐久性の高さです。
機能薬剤を繊維に分子レベルで強固に結合させることができるため、一般のコーティングなどと比較して
圧倒的な洗濯耐久性を有しており、家庭洗濯100回後も効果が持続します。
機能薬剤の種類によってさまざまな効果を付加でき、布地への機能付加は吸湿発熱、消臭・抗菌、防炎などが
実用化されています。

オレフィン系フィルムに電子線照射を行い、アクリル酸などのモノマーをグラフト重合したフィルムは良好な
イオン透過性(親水性)が付加され、ボタン電池のセパレーターに利用されています。
基材をオレフィンフィルムにすることで、耐薬品性(耐酸・アルカリ性)、機械的強度に優れており
ボタン電池の長寿命化につながりました。

繊維や粉体などの高分子基材に電子線照射を行い、吸着官能基をもつモノマーをグラフト重合することで、
吸着材を製造することができます。吸着官能基が基材表面に密集しており、吸着速度が速いという特長を有します。
また、吸着官能基を変えることで様々な吸着材を同様の方法で製造することができます。
これらは、主に水浄化に用いることができます。