タイヤゴムの流動性制御

加硫工程前の電子線照射により予備架橋で材料低減と高品質化を実現

タイヤは様々なゴムシートや部材を組合わせた後に加硫と呼ばれる工程で金型に入れ、熱と圧力を
加えることでタイヤの形状となります。加硫前のゴムは柔らかく非常に変形しやすいため、
加工性の課題や、部材の位置ずれにより欠陥が生じる課題があります。

これらの課題解決のために、カーカスプライやインナーライナーへ電子線照射が利用されています。

例えば、カーカスプライにはタイヤの強度を持たせるためコード材が入っており、この層の厚みが
薄いとコード材の位置ずれの結果、隣り合うシート層に突き抜ける欠陥が生じることがあり、
従来はゴムシートの厚みを厚くすることで対策されていました。

電子線を用いて加硫工程の前にゴムシートに予備架橋として電子線を利用することで、
ゴムの流動性が抑えられ、位置ずれ等を防ぐことが出来ます。
これによりゴムシートの厚みを薄くすることが出来、材料コストの低減と、タイヤの軽量化、
高品質化に貢献しています。

電子線架橋のメリット

材料コストの低減
タイヤの軽量化
高品質化 (加工性向上)

その他の利用分野